こんにちは!
宇都宮のパーソナルトレーナーの藤本です。
先日ZIPでプロテイン女子が特集されましたね。
基本的に高タンパク質の食事をオススメしている私としても、プロテインがこれだけ時間をさかれて好意的に紹介してもらえるのは非常に嬉しいと思います。
各種SNSでも反響が大きくあるように感じたのですが、その中で注目されている投稿の中に
プロテインは運動しないで飲むと太るよ
という投稿がありました。
運動がなかなか出来ない中、それでもプロテインを使いながら食事をコントロールしてダイエットをしている方にはちょっと心配になる内容ですよね。
実際にプロテインは運動をせずに飲むと太るのでしょうか?
今までされた実験からみていきましょう。
今更聞けない…。そもそもプロテインって何?
本当に初歩の初歩についてご説明します。
プロテインが何かを理解している方はここを読み飛ばしてして下さい。
プロテインってダイエットに良いと聞くけど今更何かを聞くのはちょっと…、という方のためにプロテインについて説明していきます。
プロテインはタンパク質を摂るための食品
よくアスリートやボディビルダーが飲んでいるイメージがあると思います。
最近ではダイエットに効果的であると知られてきてモデルや芸能人の方も使っていると聞いたことがある方も増えてきたと思います。
プロテインとは三大栄養素のタンパク質を摂る事を目的とした食品です。
タンパク質は筋肉を作る為に必要というイメージが強いと思います。
しかし筋肉以外にも髪や皮膚、骨など体のありとあらゆる場所にタンパク質を必要とします。これが不足すると髪やお肌などのトラブルの原因になることも考えられます。
ですから全ての人が十分なタンパク質を摂る事が必要があります。
(余談ですがお客様にタンパク質を多く摂るようになってもらって最初に変化があったと感じられる事が多いのが髪です)
しかしタンパク質をお肉やお魚からとろうと思うと脂質が多い物がたくさんありカロリーも高めになりがちでダイエットを難しくしてしまう事もあります。
ちなみに脂質とカロリーの少ないお肉やお魚がをチェックしたい方は以下の記事で確認してください。
その他にも満腹感を高めてくれたり、筋肉を多く残して脂肪を多く落としてくれるなど上手く使うとダイエットをするのに非常にメリットがあるタンパク質ですが、脂質が多いものを選ぶとオーバーカロリーになってしまったり、調理する手間がかかって必要量摂るのが中々難しいという方も多いんです。
しかしプロテインなら粉を水に溶かして飲むだけという手軽さでほとんど脂質と糖質を取らずにタンパク質だけ多くとれるというメリットがあります。
ですからアスリートやボディビルダーだけでなく最近はモデルや芸能人の方でもボディメイクのために使う事がメディアで紹介される事も増えています。
運動しないでも高タンパク質食はダイエットにメリットがある
そんなプロテインとタンパク質ですが、まずは運動をしていない人が沢山タンパク質をとっても太らないのか?というところから見ていきたいと思います。
Laymanさん達はBMI26以上の成人女性(45〜56歳)24名を高タンパク質食を食べるグループと高炭水化物食を食べるグループに分け(摂取カロリーは同じ)、10週間で体重や体脂肪率(その他血中脂質等も)がどんな変化をするか実験しました。運動については特に指示せずいつも通り過ごしてもらいました。
結果は両グループ共に体重が落ちました。
しかし両グループで落ちた体重に差はありませんでした。
つまりカロリーをコントロールしていれば
「タンパク質を沢山とっても太らない」
と考えることができます。
しかもダイエットで高タンパク質を意識している人にはさらに嬉しい結果がこの実験では出ていました。
通常体重を落とすと脂肪と一緒に筋肉も落ちてしまいますが、高タンパク質食グループは高炭水化物食グループと比較して脂肪が多く落ちたのです。
高タンパク質食グループは落ちた筋肉量1gに対して6.36g脂肪が落ちたのに対して、高炭水化物食グループは3.92gしか脂肪は落ちませんでした(統計的有意差あり)。
両グループ共に落ちた体重は同じです。
つまり、高タンパク質食グループはより多く筋肉を残し、脂肪を落とせたといえます。
つまりダイエットをすると筋肉も脂肪も落ちるけど、同じ体重を落とした場合には高タンパク質をとったほうが沢山脂肪が落ちる
という事です。
またSorenさん達は6ヶ月というもっと長い期間実験を実施し、体重の変化を比較した結果、高タンパク質グループの方が体重の落ちが大きかった事を報告しています。
ですから体重を長期的にコントロールするのにも高タンパク質食はとても効果的であると考えられますよね。
ただ一点注意しなければならないのは…
両実験ともカロリーコントロールをしている
という事です。
何も考えずにいつもの食事にお肉やお魚を追加するだけでは体重は増えてしまいますので注意してください。
でも少なくともカロリーをきちんとコントロールした上で高タンパク質の食事にする事は体の中を良い方向に変えてくれると考えられますね。
プロテインは太らない
高タンパク質食が運動をしていなくてもダイエットに役に立つことがご理解いただけたと思います。
でもまだ疑問が残っていますね。
“運動しない”で“プロテイン”を摂ると太るのか?
Arcieroさん達がその答えにつながるような実験結果を報告してくれていました。
被験者は以下の通りです。
- 平均年齢45.9歳の男女
- 平均BMI30.3、平均体脂肪率35.6%
- 日常的な運動習慣無し
- 心臓血管系疾患や代謝疾患(糖尿病等)、喫煙歴無し
といった30名の方々が集められました。
実験は33日間行われたのですが、内容は以下の通りです。
- 通常食で1日3食のグループ(TED3: 10名)
高タンパクで1日3食のグループ(HP3:10名)
高タンパクで1日6食のグループ(HP6: 10名)
の3グループに分けられた。 - 摂取カロリーは3グループ同じ
HP3とHP6はたくさんタンパク質を摂る(総摂取カロリーの35%)
TED3は炭水化物を多くとった(総摂取カロリーの60%)
脂質は同じ。 - HP3とHP6グループにはプロテインパウダーやプロテインバーを利用し多くタンパク質を摂らせた。
- 運動の指示はない
- 33日後に体重や体脂肪率、筋肉量などを測定し変化を見る。
メチャクチャ端折って説明していますが、大雑把に説明するとこういうことです。
つまりHP3とHP6グループはまさに“運動しない”で“プロテイン”をとっているというグループになりますね。
もし摂取カロリーに関わらず、運動しないでプロテインをとって太るのであればHP3とHP6のグループは体重や体脂肪率が増加するはずですね。
さて 33日後の結果は…
- 体重
TD3: -0.1kg
HP3:-0.7kg
HP6:-0.1kg
全てにおいて統計的有意差なし
- 体脂肪率
TD3: -1.0%
HP3: -1.9%
HP6: -2.2%
HP3と6にはスタートと比較して統計的有意差あり!
TD3は無し!
- 筋肉量
TD3: -0.2kg
HP3: +0.1kg
HP6: +0.9kg
HP6のみ統計的有意差あり!
わかりやすくまとめると…
- 各グループ体重に変化はなかった
- HP3とHP6は体脂肪率が低下した
- HP6は筋肉量が増加した
摂取カロリーは体重をキープされるように設定されたために変化はありませんでしたが、高タンパク質を摂るグループで体脂肪率と筋肉量にポジティブな変化が出ました。
運動しない人がプロテインを摂ると太るというのであれば、HP3とHP6グループにおいて体重 or 体脂肪率 or 筋肉量にネガティブな影響が出るはずですよね。
要するに…
運動しない人がプロテインを摂ると太るって事は間違いです。
イヤ、もちろん食事を変えずにプロテインを追加して飲めばその分のカロリーが追加されて体重が増える可能性が出るというのは正しいです。
しかしそれは運動をしていてもしていなくても同じです。
それはプロテインを飲んだから太ったのではなくて
摂取カロリーが消費カロリーを上回ったから太ったのです。
ですからきちんと摂取カロリーをコントロールしてその中でタンパク質を摂る割合を高める事で体の中身には良い影響が出るでしょう。
まとめ
- 高タンパク質の食事は体の中を良くしてくれる可能性がある
- 運動してない人がプロテインを使っても太るとは限らない
- カロリーをきちんとコントロールすればプロテインは効果的
最も大事なのがカロリーです。このカロリーをきちんとコントロールした上でタンパク質の摂取比率を高めていく事でダイエットにおいて非常に大きな利益を受ける事ができます。
心配せずに上手にプロテインを使っていきましょう。
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