こんにちは!
オンラインダイエットコーチの藤本です。
ケトジェニックダイエットって聞いたことはありますか?
糖質さえ制限すれば何を食べてもいいかのような感じで聞くこともありますが、このダイエット方法はどんなダイエット方法で他のダイエット方法を比較して効果としてどうなのでしょうか?
実際に調査されたものをベースに今回はケトジェニックダイエットについてお話していきます。
目次
ケトジェニックダイエットって何?
脂質を摂りまくって糖質を極端に制限するダイエット方
ケトジェニックダイエットとは簡単に言ってしまうと糖質を極端に制限する一方で、エネルギーのほとんどを脂質から摂取していくダイエット法です。
要するに糖質制限ダイエット方法の一種なのですが、一食お米を抜くなど緩い方法ではなく非常に厳格に糖質を制限する方法です。
実際にどんな食事をするダイエット方法なのでしょうか?
食べても良い食品リスト
食べるのがNGな食品
- 穀物
- 砂糖が添加されている食品
お菓子・みりんなどの調味料・加糖されたソフトドリンク - 果物全般
- 芋類
- マメ科の食品
- 根菜類
大雑把に図に書くとこの様な感じになります。
つまり徹底的に糖分を避けて脂質とタンパク質からエネルギーをとるというダイエットです。
この様な食事になるので、摂取エネルギーとして
タンパク質: 全体の20%程度
脂質: 全体の70%以上
糖質: 全体の10%程度 or 50g/日未満
というような感じになります。
つまりほとんどを脂質から補うという食事法になります。
脂肪・脂質をメインのエネルギーにする
上記のように徹底的に糖質が多い食品を避けて、大半を脂質、20%程度をタンパク質から摂取します。
そうする事でどんな事を起こそうとしているのかというと通常は糖質と脂質をエネルギーとして利用しているところを脂質をほとんどのメインとして利用させようとする試みです。
そうすることで体内はケトーシスという状態になります。
ケトーシスとは血液中のにあるケトン体という物質が増えて濃度が高まった状態を言います。
ケトン体とは脂肪の分解によって肝臓で作られる物質です。このケトン体ですが骨格筋・心臓・腎臓などでエネルギー源になります(日本薬学会)。
普通の状態でもケトン体は作られますが、糖質を制限し大量に脂質を摂取することでケトン体を増加させます。そうすることによって脂肪をエネルギー源としてより多く利用しようとするのがケトジェニックダイエットと呼ばれるものです。
余談ですがケトーシスにすることが必要なので、考え方によってはNG食品でもケトーシスになっているのであればとっても構わないという考え方もできますね(現実的ではないですが)
実際に効果はあるの?
体重の変化
実際に調査されたものを見てみましょう。
ただ注意してほしいのは厳密にこれがケトジェニックダイエットだと定義されたものは存在しません。
そのためこの記事では全体のカロリー摂取量の60%以上を脂質からとっているものをケトジェニックダイエットと呼びます。
飛んだ先の調査ではアトキンスとか言われてますけど、そこに大きな差はありません。
さてでは調査の内容を見ていきましょう。
VeumらはBMI29以上・腹囲98cm以上で30〜50歳の男性20名に12週間ケトジェニック食(P:F:C = 17:71:12・カロリー収支は負)を食べてもらいました。
その結果BMIは平均して3.5の減少がありました。
BMI29だと身長が170cmの人だと83.81kg。このBMIが3.5減ると25.5で体重は73.69kg。10kg以上の減量になります。
中々凄い効果ですね…
さらに長期間調査したものもあります。
Brinkworthらが12ヶ月実施した調査では平均BMI33.6が28.4まで減少(身長170cmだったら97.1kg → 82.0kg:約15kg減)という結果が出ています。
その他の調査でもハッキリとした体重減少効果が出ていて、減量に効果があることは間違いなさそうです。
ケトジェニックダイエットは他と比べて優れてる?
体重の変化の比較
数字だけ見ると物凄い減量効果が達成されていますが、実際にケトジェニックダイエットは他のダイエット方法と比べてどうなのでしょうか?
結論から言うと、他のダイエット方法と比べて特別優れているという訳ではありません。
一方で特別劣っているというわけでもありません。
最初に紹介したVeumらの調査では同時に通常の低脂質ダイエット食と比較して調査されています。
その中でBMIの変化を比較します。
ケトジェニック: 34.1(スタート) → 30.6(12週後) -3.5
低脂質ダイエット: 33.6(スタート) → 29.9(12週後) -3.7
統計的有意差が無かったので低脂質ダイエットとほぼ変わらない減量の程度となりました。
12ヶ月間調査を行ったBrinkworthらの報告でも低脂質ダイエットと比較されていて…
ケトジェニック: 33.6 → 28.4(-5.2)
低脂質ダイエット: 33.7 → 29.2(-4.1)
と、ケトジェニックの方が平均的には大きく落ちましたが統計的有意差はありませんでした(ですからあまり変わらないと考えられます)。
一方で「糖質制限」ダイエットの方がより多く体重が落ちたという報告も複数存在します。
例えばGardnerらは厳しい糖質制限であるAtkinsダイエットとZONE・LEARN・Ormishら3つのダイエット方法で体重(BMI)の減少幅を比較しています。
六ヶ月後の結果としてアトキンスダイエットはBMIが-2.16減少したのに対してZONE・LEARN・Omishはそれぞれ-0.73, -1.13, -0.85の減少に留まり統計的有意差がありました。
こういった調査のように糖質制限が体重をより多く落としたという調査報告もあります。
一方で長期的な実験を行った報告をまとめたシステマティックレビューではどのダイエット方法でも長期的な体重の減少に差はないという報告がされています。
ですから短期的に体重減少速度は大きい可能性が高いのですが、長期的に続けた場合には他のダイエット方法と差は出ないのではないでしょうか?
体脂肪量の変化はどうなの?
確かに体重に変化はないけれども、体内の脂肪をガンガン燃やすから体脂肪の減りはより大きいんじゃないか?って考える人もいますよね。
ではそれも実際にどうなんでしょうか?
実際に厳密に実験した内容を見てみましょう。
Hallらは18〜50歳の肥満男性17名に対して4週間一般的なカロリー制限ダイエットを行った後にさらに4週間ケトジェニックダイエットを行いました(合計8週間)。
被験者は全ての期間実験施設の中で過ごしました。
食事はすべて施設側から決められた内容が提供され摂取カロリー等は全てコントロールされていました。
代謝測定室に入り、消費エネルギー量等も最も正確と考えられる方法で測定されました。
被験者はケトジェニックダイエットを実施し始めた15日間で体重は1.6kg減少しました。
一方で体脂肪量の減少は0.1kgでした。
つまり1.5kgは体水分で減少したと考えられ、脂肪の減少は0.1kgであったということです。
通常のダイエットでは最後の15日間で体重の減少は0.8kgでしたが、体脂肪量の減少は0.5kgでした。
つまりケトジェニックダイエットに切り替えたら体重の減少は大きくなりましたが、体脂肪量の減少は少なくなりました。
もし切り替えて体脂肪がより燃えるようになるのであれば体脂肪減少速度の減少は起こらないのではないでしょうか?
ですからケトジェニックをしたからって確実に大きな体脂肪減少効果が期待できるわけではありません。
以上のようなことからケトジェニックダイエットは他のダイエット方法と比較して特別優れたダイエット方法ではなくて数多くダイエット方法の一つであると考えられます。
カロリーは関係ない?
たまにケトジェニックダイエットはカロリー関係なく体重や脂肪が落ちるという主張を見かけます。
糖質をとらないため体脂肪の消費が活性化され脂肪がどんどん燃えるというような主張のようです。
確かに短期的には正解の事があります。なぜならHallらの調査のように体の水分が抜けるからです。
たとえばこちらのブログ記事ではパーソナルトレーナーであるご本人が試してみたようです。詳しい食事内容についてはわかりませんが、おおよそ3,500kcalとったとしても2週間程度で2.2kg体重が落ちたそうです。
こういう実体験をした人のお話をポツポツ聞くのでまああることなのかなと思います。
しかし、基本的に水分が抜けるだけで体脂肪の減少は起こっていないと考えて良いでしょう。
つまり多量にカロリーをとっても1〜2週間であれば体重が落ちる事もあるようですがそれはすぐに頭打ちになります。
ちなみに先程のブログの筆者の方はその後2500kcalにして再度ケトジェニックダイエットをしてみたそうです。
その結果2週間で体重は3.5kg・ウエストは3.8cm落ちたそうです(こちら>>>)。
「イヤ、カロリー制限と組み合わせたらそりゃ落ちるでしょ」って思われるかもしれませんが、その主張をOKするのであればカロリーコントロールは体重減少に関係しているという主張を認めるということになりますね。
実際に複数の低糖質ダイエットと他のダイエット方法を比較した研究では低糖質ダイエットは体重の落ちが非常に早いことが報告されています。
しかしそれは水分の抜けでしょう。
多くケトジェニックダイエット経験者が体重の停滞を経験するのはやはり消費カロリーと摂取カロリーが釣り合っている状態になってしまっているため起こってしまうのではないでしょうか。
っていうことはやはりカロリーコントロールをすることが非常に大事であるということですね。
ケトジェニックダイエットのメリット
スタートから大きな体重の減少が見込める
ケトジェニックダイエットの大きなメリットの一つは開始直後から大きな体重減少が期待できるという点です。
必ずしも体脂肪が多く落ちているわけではありませんが、炭水化物摂取量を制限することで体水分量がより多く抜けてすぐに体重計の数字が減っていきます。
特に最初の時期は行っているダイエットが効果的かどうか不安になる時期です。そういう時に早く体重が落ちるということは非常に安心感に繋がりますからそういう点でメリットはあるでしょう。
お肉やお魚・油ものを非常に多く取れる
一日全体のエネルギー摂取量として9割以上のエネルギーを脂質とタンパク質からとる食事法になるため、必然的に油が多いお肉やお魚などをとることになります(揚げ物は小麦粉入るから無理でしょうね)。
鶏むね肉やささみばかり食べて嫌になってしまう人にとって非常に助かる食事法ではないでしょうか?
選べばかなり外食がいける
あと、意外と外食が多い人に向いている食事法かもしれません。
ファミレスに行けばステーキやハンバーグが必ずメニューに置いていますからそれを選べば問題はありません。
おそばやうどん・ラーメンは厳しいかもしれませんが、お肉・お魚がメインのお店に行けば必ず選べるものがあります。
ケトジェニックダイエットのデメリット
炭水化物・芋・果物が好きな人は絶対に無理
ハッキリ言って減量中でも絶対にお米が食べたいと言うような人には向いていない食事方法です。
炭水化物の摂取量を全体の10%以下 or 50g/日以下にするということは現実的に穀物や芋・お菓子などがとれないということです。
それが苦にならない or 耐えられるのであれば選んでもいいかもしれません。
脂っこいものが苦手な人も厳しい
圧倒的にお肉・お魚、そして油脂をとるダイエット法になります。
ですから脂っこいものが苦手な人もかなり厳しいと思います。
味付けに制限がかかる
調味料はかなり使いにくくなります。
メジャーなところで言えばみりんやお酒は非常に使いにくくなります。ケチャップやソースなども制限対象になるでしょう。
そうなると味付け自体が非常に制限されて多くの味を楽しめなくなる可能性があります。
食費がかかる
基本的に油の多いお肉やお魚など脂質の多い食品を食べていく方法なのですが、「いわゆる」質の良い油脂をとることが推奨されています。
例えばお魚やオリーブオイル・アボカドなどから脂質を摂取することが推奨されていて、お肉などの飽和脂肪酸摂取量を少なくすることが推奨されているようです。
こうすることで心臓血管系疾患のリスクを低下させようという考え方なのだと思います。
が…、高価な食品がどうしても多い…
というわけで必然的に食費が上がってしまうことが考えられます。
ラーメンに行けない
藤本がラーメンを食べに行けなくなることは死刑宣告に等しい事です。
というのは冗談ですけど、現実的に炭水化物食品中心の外食は行けなくなる訳でかなり制限をされるようになると思います。
一方でメリットの点で話しましたが、選べばかなり外食に行けるのでそこは良し悪しかなと思います。
実行する上で注意する点
ケトジェニックを終えた後にどうするかをプランしておく事
すごく大事な注意点なんですがケトジェニックダイエットを行って目標体重に達した後にどんな食事にしていくか?という事を考えておくことは非常に大事になります。
目標体重に達した後に以前の食事に戻してしまい体重が元通りなんてのはよくある話です。
ですからケトジェニックダイエットをずっと続けるという選択肢も出てきます。
一方で、ケトジェニックダイエットなど低糖質のダイエットを長期間続けることで動脈硬化の発生率が上昇する懸念もあります(参考文献>>>)。
(いわゆる良質な油を取っていれば問題ないという主張も証明できませんしね…)
そういうリスクを知っていて続けるというのも一つの選択肢ですし、少しづつ元に戻す方法を考えるというのも一つの選択肢です。
いずれにせよ目標体重に達した後にどうするか?という事を予め考えておく必要があります。
健康に不安がある人は医師に相談すること
今回紹介した調査をふくめ実験はメタボリックシンドロームの人やそういうリスクを一つ以上もっている人を対象に実施されています。
もちろん専門家の指導の元行われている実験ですから健康面に関しては最新の注意を払って行われています。
ただ、凄く極端な食事法であることには間違いないので、特に健康状態に現在不安がある人は医師に相談しながらすすめるべきでしょう。
まとめ
ケトジェニックダイエットは炭水化物を徹底的に制限して脂質からエネルギーを摂取していく食事法です。
他のダイエット方法と比較して優位に体重を減らせるわけではないですがカロリー制限をした上で実行するのであれば他のダイエット方法と同じように体重を落とせると考えられます。
体重減少に関しては特に始めたばかりの時期に体重が大きく落ち、またいくつかの調査においては少し大きな体重減少がみられることもあります。
ただし、メリットに対してのデメリットを考えたらコストパフォーマンスについては考える必要があるのではないでしょうか?
人によっては凄く大変なダイエット法ですし、人によってはイージーなダイエット法かもしれません。その辺りの判断について個々人でするべきだと思います。
一方で様々な食事的な制約もあり、長期的に続けることで心臓血管系の健康リスクが増大するためその点をケアしながら行うべきでしょう。
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