食事を我慢しても運動を頑張っても落ちない体脂肪。変化がないと頭を抱えますよね。
なぜ、何をしても体脂肪が落ちないのでしょうか?プロのダイエットコーチである筆者が、努力しても落ちない体脂肪の原因と対策について解説します。
目次
体脂肪が落ちない原因
急激な減量
体重を落としても脂肪が落ちない原因は急激な減量。無理な食事制限や、栄養バランスの偏った食事で体重を落としても、脂肪は落ちてくれません。
確かに1月に-5kgや2ヶ月で10kgは可能です。しかし、それで落ちるのは脂肪ではなく体水分や筋肉です。
逆に、脂肪はあまり落ちないために体脂肪率は上がり、さらにたるんだ体になってしまいます。本末転倒。
ダイエットでは脂肪だけ落とし体重を落とすのが理想です。
減量ペースは1ヶ月で現体重の3.5%以下がおすすめ。100kgの人では3.5kgですから一月に5kg落とせる人はほとんどいません。
焦らずゆっくりと体重を落としましょう。
睡眠不足
5.5時間睡眠だと脂肪がほとんど落ちないのをご存じでしたか?
この調査では睡眠時間5.5時間と8.5時間を2週間続けてもらい、体重と除脂肪体重、体脂肪量の変化を比較しました。
除脂肪体重は脂肪を除いた体重のことで、筋肉や内臓、体水分などが含まれます。これの変化は実質、筋肉量と水分量と捉えてください。
8.5時間のグループは体重-2.9kg。脂肪と除脂肪体重の落ちは1.4:1.5(kg)とほぼ1:1の割合で落ちました。
5.5時間のグループは体重-3.0kg。脂肪と除脂肪体重の落ちは0.6:2.4(kg)と1:4の割合で除脂肪体重が多く落ちました。
書き間違いじゃないではありません。
つまり5.5時間睡眠の場合は8割筋肉が落ちて、2割しか脂肪が落ちませんでした。
ですから睡眠が足りないことは脂肪が落ちない大きな原因になってしまうのです。
運動ばかり頑張ってる
そもそもなんですが、運動で体脂肪はあまり落ちません。
筋トレは筋肉量を増やしたり、減少を緩やかにする効果があります。
有酸素運動は血管を発達させたり持久力をつける効果があります。
しかし、脂肪の減少は微々たるもの。例えばこの研究では一年間ハードな筋トレを行いました。しかし体脂肪量は変わりませんでした。
有酸素運動を週5日1年頑張ってもこの程度です(参考)。
一方で、食事+運動、特に筋トレは高い脂肪減少効果と筋肉量を維持する効果があります(参考)。
食事や睡眠をしっかりした上で運動を行うことは引き締まった体を作るためにはとても効果的。ですが、運動ばかり頑張ってもあまり変わりません。
まず栄養バランスのとれた食事と十分な睡眠をとることを意識しましょう。
アテにならない体脂肪率計
体脂肪を落とすときに気にしてしまうのが体脂肪率。洗面所でみる数字についつい一喜一憂してしまいます。
でも、これを気にする必要はありません。その理由は誤差が大きく、アテにならないからです。
誤差は最大8%
何ヶ月もかけて体脂肪率を8%落としたのに、体脂肪計に表示される数字は以前と変わらない。
もう、心が折れませんか?
家庭用の電流を流して測定するタイプの誤差は大きく、その誤差は最大で8%(参考)。
つまり実際は体脂肪率を28%から20%まで落としたのに、体脂肪率計の数字では28%のままと言うことがありえます。
もう、心折れますよね。
ですから家庭用体脂肪率計はほぼアテにする必要はありません。
一喜一憂するならやめてしまえ
体脂肪率計の数字は毎日2〜3%は平気で変わります。
でも実際にそんなことはありえません。
それだけ正確性が低い測定に一喜一憂するくらいなら、いっそやめた方が精神衛生上良いです。
正確な体脂肪率は研究所に行かなければ測定できません。
でもそんなことできるわけないじゃないですか。
だったら測らない方が良いですよね。
体重と見た目で判断
体脂肪率がどれくらいかを判断するには、体重と見た目で判断しましょう。
要するに見た目のたるみが減ったら、体脂肪率は落ちてると捉えて問題ありません。
細くみられるのに適切な体重はどれくらい?
脂肪の多さを判断するための指標は体重です。
低ければ体脂肪が少ないと考えて良いのですが、低すぎると健康を害してしまいます。
ではどのように判断していくと良いでしょうか?
BMIで判断すると良い
一言で言うとBMIは身長に対する体重がどの程度あるか?という指標です。
例えば、70kgだとしても身長160cm180cmでは見た目が全然違いますよね。
ですから、その人に適した体重を表すための指標がBMIです。
健康的にはBMI18.5〜25
BMIの標準値は18.5〜25で、この範囲が標準的と言われる体重です。
身長160cmであれば、47.36〜64kgです。
ずいぶん幅がありますが、この範囲に収めていくのが推奨されます。
しかし、18.5と25では見た目にずいぶん差がありますよね。
実際に気になるのはスリムにみられるBMIはどれくらいかということ。
BMI18.5まで落とさないといけないのでしょうか?
細く見られたいならBMI20
細くみられたいのにおすすめするのはBMI20です。
日本人女性の平均BMIは年代によって変わりますが、おおよそ21〜23です。
細い・太いは相対的な評価になるので、それよりも少しだけ下回っていれば細くみられます。
ですからBMIは20まで落とせば一般的には十分に細いと評価される体重です。
18.5まで落としてもいいんじゃないか?と考えるかもしれません。しかし、18.5と20で見た目の印象に大きな差はでません。
BMI20で十分です。
詳しくは以下の記事に書いていますので興味のある方は読んでください。
体重が軽いのに体脂肪が多い人が脂肪を落とす方法
すでにBMIが20に近い。でも見た目がたるんでいるという人は、体重を変えずに筋肉をつけて脂肪を落とす事が大切になります。
そのために大切な事は基本的な生活習慣。「十分な睡眠、栄養バランスのとれた食事、定期的な運動」を実践することです。
十分な睡眠
おすすめは7時間程度です。
十分な体脂肪の減少が期待できるのと、日中の集中力改善の両方が期待できるからです。
5.5時間と比較して6時間は体脂肪減少効果において、少し改善が期待できると思います。
しかし脳は完全に回復しきらずに、日中の集中力低下ややる気の低下があります。
一方で8時間の睡眠時間はどちらにも効果的です。
しかし現実的に8時間睡眠をとれる人はどれくらいいるでしょうか?
そういったことを考えると現実的なおすすめは7時間睡眠になります。
7時間もとれない。というのであれば少しでも長く寝ましょう。
最初は15分だけでも十分です。休憩時間に少しお昼寝するのも良い手段です。
少しでも長く眠り脂肪の落ちを促進しましょう。
栄養バランスのとれた食事
栄養バランスのとれた食事とは「必要な栄養素が過不足なく摂取できる食事」のこと。
つまり多すぎても少なすぎてもNG。
例えば、ダイエットに良いイメージがあるタンパク質。過剰摂取になるとオーバーカロリーになって体重・脂肪が増加します。
一方で、太るイメージの炭水化物。全身のエネルギー源になりますが、不足すると筋肉のタンパク質を分解して減らし、体脂肪率の落ちは悪くなります。
炭水化物、脂質は体にとって必要不可欠な栄養素ですし、水分・タンパク質・ビタミン・ミネラルは過剰に摂取することで体に悪影響を与えます。
どの栄養素も適量摂取することで脂肪の減少を最大化できます。
どの程度とればいいのかは以下の無料オンラインビデオコースをみてください。
定期的な運動
十分な睡眠と栄養バランスのとれた食事を摂った上で運動を行うこと
そうすることで筋肉量を増加させ、脂肪だけを減少させることが出来ます。
睡眠と食事は筋肉量の減少を抑えて、脂肪の減少を促進するために有効ですが、運動は筋肉を増やす事に非常に効果的です。
筋肉は使う事で増加します。十分に動かすことで筋肉が発達する刺激が入り、引き締まったからだができあがります。
ですから睡眠・食事・運動を組み合わせることによって筋肉量を増やしながら、脂肪を落とす事が可能になります。
まとめ
脂肪が落ちない!という人は、まずは自分の体重がどれくらいかをしっかり把握して目標体重を設定しましょう。
一方で、もう体重はBMI20付近だけど脂肪が落ちないという人は、食事だけでなく睡眠や運動方法などを見直して、体重を変えずに筋肉量を増やすことを考えましょう。
体を変えるのは基本的な生活習慣がとても大切です。出来るところから少しずつ変えていきましょう。
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