こんにちは!
宇都宮のパーソナルトレーナーの藤本です。
普段皆さんはどれくらい寝ますか?
ダイエットにおいてあまり睡眠は意識されないと思いますが、今日は短時間の睡眠は摂取エネルギー量を増やすという結果が出た研究報告を紹介します。
参加者
健康な男女30-45歳の男女27名(男性14名・女性13名)でBMIの平均は男性で24.1・女性で23.0。普段7-9時間以上の睡眠をとっている人が対象になりました。また喫煙者や2型糖尿病患者、アルコールや薬物乱用歴、カフェインの過剰摂取や摂食・睡眠・神経障害のある人は対象外になりました。
方法
この研究では参加者に短時間睡眠と長時間睡眠両方をとってもらいその後のエネルギー摂取量等を調査します。
参加者は施設に来てもらい寝泊まりしてもらいました。
短時間睡眠は1:00にベッドに入ってもらい5:00に起きてもらいました。つまり4時間睡眠という事ですね。それを6日間続けてもらいました。
長時間の睡眠では22:00にベッドに入ってもらい7:00に起きてもらいました。こちらは9時間睡眠です。こちらも6日間続けてもらいました。
この期間中はお昼寝はNGで、その事は研究員に確認されていました。
食事はそれぞれの期間、最初の4日間は決まった食事を食べてもらいました。そして最後の2日間は研究所が用意したものを好きに食べてもらいましたが食べたものは研究員が記録しました。
最後の二日間は外で購入したものも食べることを許可されていましたが、アルコールだけはNGにされました。
好きに食べて良いのは5・6日目でしたが、参加者が退所するのが6日目の20:00でしたので6日目の食事データに関しては不完全でした。そのため5日目の記録のみの比較になります。
カフェインは1日に一杯程度に制限されました。
参加者は外出は許可されていましたが、研究員が同行の元の外出になります。また近くの24時間営業のフィットネスクラブで運動をすることも許可されていました。
その活動記録は活動量計によって全て記録されました。
結果
食事関連
摂取カロリー
5日目の摂取カロリーの比較は短時間睡眠時では平均2813.6kcal、長時間睡眠では2517.7kcalでした。
特に女性は脂質を多く摂取する傾向があって、長時間睡眠では32.8%程度を脂質で摂ってたのに対して、短時間睡眠では38.5%に増加していました。
食事回数
また短時間睡眠では食事の回数も増加し、長時間では4.96回が平均だったのに対して短時間では平均6.08回にまで増加しました。
エネルギー消費量等
安静時代謝量(RMR)
安静時代謝量に統計的有意な変化はありませんでした。
活動記録
長時間睡眠では短時間睡眠と比較して安静にして過ごす時間が増加しました(全時間の84.9% vs 82.0%)。その一方で高強度の運動を実施する時間は長時間睡眠では減少しました(12.6% vs 16.0%)。
長時間睡眠では高強度運動と超高強度運動に費やした時間は短時間と比較してして長かった(それぞれ0.2% vs 0.04%, 0.1% vs 0.01%)
総消費エネルギー量(TEE)
1日の総消費エネルギー量については差はなかった。
アンケート
空腹感等に関するアンケートをとり男性は短時間睡眠において空腹感を感じていた。また睡眠時間が少ない方が活力感を感じていなかった。
(この論文著者による)考察
この実験によって短時間睡眠はエネルギー摂取量の増大を引き起こすこと、睡眠が食事摂取に影響を与えることを明らかにできた。これは短期間だったけれども、睡眠不足が長期間続くことで体重増加に繋がると考えらえる。さらに脂質摂取量の増加とともに心臓血管疾患のリスクを増加させる。
この研究の限界
参加者は全て普通体重(BMI22-26)からより低い人や高い人に同じ実験をしたらどうなるかは不明。
また年齢も30-45歳までのためそれより低い・高い年齢ではどうなるかはわからない。
睡眠不足は大人から子どもまで体重を増やす要因になる。
この実験ではホルモンの変化を見なかったため、それがどうなるかは不明である。
また摂食行動の記録は1日のみだったことも限界の一つである。
コメント
全ての行動が記録された面白い研究だなーと感じました。この研究の限界にあるように摂食行動の記録は1日のみだったというところはもう少し知ってみたかったですね。ある程度の期間睡眠不足が続いた上で食事が制限されない状況が何日間か続いたらどうなるのかな?と(参加者の健康上の理由で実施されなそうですが…)。
また4時間 vs 9時間で睡眠が行われましたが他の睡眠時間で実施されたらまた結果は変わるのかな?と感じました。5時間vs7時間とか。実際はそれくらいの人が多いと思いますしね。またそれ関係の研究を探してみたいと思います。
また高強度の活動時間が低下したのも興味深いなーと、筋トレは高強度活動に入るでしょうし睡眠不足は減量をした時に多く筋肉を落として脂肪を多く残してしまうという研究結果もあったので睡眠不足は筋トレをしている人にとっていい事ないなと…。睡眠不足だと確かにモチベーションは下がってしまいますもんね。
個人的に面白かったのが、長時間睡眠で摂取したカロリーが約2,517kcalだったのですが、これは参加者の消費エネルギー量よりも200kcalばかり多かったんですね。施設に入院して行動を全て監視・記録されるというのを4日間…。流石にストレスだったんだろうなーと。そういう時はやっぱり食欲が増して食事摂取量が増えちゃうのかな?なんて予想を立ててみたり(※私の勝手な予想です)。
必ずしも9時間寝る必要はないと思いますが、今よりも少しでも睡眠時間を確保してあげてダイエットを上手く進めてみてくださいね。
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